G-Media 現場にフォーカス

こんなことやってます!映像取材部

激動のシンガポールに駐在

急速な経済成長を遂げている東南アジア。日本のみならず世界が注目する東南アジアには、さまざまな人種が激動の時代を生きています。経済はもちろん、政治、災害、事件、事故、環境問題など、日々ニュースが世界中に発信されています。私が駐在しているシンガポールは国土は東京23区程度と小さな国ですが、大きな経済発展を遂げ、街には高層ビルが建ち並び、人々は活気に満ちています。

世界のリーダーたちが集う

私はカメラマンとしてNHKシンガポール支局に駐在し、シンガポールやマレーシアを中心に、ニュースの映像取材や中継を行っています。日本でも大きな話題になったTPP交渉やマレーシア航空機の失踪事件などのニュースはもとより、安倍総理大臣やオバマ大統領など各国の首脳が会する国際会議も頻繁に開かれ、日々取材に駆け回っています。

歴史的会談を撮る

担当した取材で最も印象に残っているのが、2015年11月7日にシンガポールで行われた「中台首脳会談」です。1949年の分断後初めて行われる会談のため、世界中からたくさんのメディアが集まることが予想されました。NHK取材班はベストポジションを取るため、会談より10時間も前の朝5時に、会場入り口でスタンバイしました。そのころはまだ人数はたいしたことはありませんでしたが、時間が経つにつれてどんどん増えていき、会場入り口前は溢れかえったマスコミ各社のために、身動きが取れないほどになりました。待つこと8時間、会場のゲートが開くと同時に各社が一斉に走り出し、壮絶な場所取り合戦が繰り広げられました。

私はどうにか正面2列目のカメラポジションを確保することができ、中国総局やジャカルタ支局のカメラマンも左右さまざまな撮影場所を確保。NHK取材班は5台のカメラでその瞬間を狙いました。会場を埋め尽くしたテレビカメラとスチールカメラなど、メディアの総数は600人以上。今まで体験したことのない数でした。 そして15時、ついにそのときが来ました。右から中国の習近平国家主席が、そして左から台湾の馬英九総統がゆっくりと歩み寄り、中央でがっちりと握手をかわしました。目がくらみそうになるほどの無数のフラッシュ。私を押しのけて少しでも良いポジションから撮影しようとするカメラマンを押し返したり、私の前に立ちふさがるように入ってくるカメラマンをひじで押さえつけながら、二人の表情のアップを撮り続けました。 長い間断絶していた中国と台湾のリーダーの握手。その歴史的瞬間に二人が見せた表情は笑顔でした。私が撮影した笑顔はこの会談を象徴する印象的な映像だと、ニュースで何度も使用されました。このような歴史的な瞬間を映像で切り取ることができたことを、私は一生忘れることはないと思います。
NHKシンガポール支局に駐在して2年半、さまざまな取材経験を糧にさらに精進し、東南アジアの「今」を発信し続けます。

(2015年11月)