G-Media 現場にフォーカス

こんなことやってます!映像制作部

サーバーステーションの現場から

世界中のメディアが取材した映像を、IP・ファイル伝送やNHKのネットワークを駆使してリアルタイムで収録。世界有数のサーバーシステムに蓄積する。24時間体制で映像と向き合う報道現場の舞台裏を紹介します。

 

事故現場から映像伝送だ、サーバーまわせ!

午後5時過ぎ、夜のニュースに向けた映像伝送で取材現場からの無線や電話が鳴り響く。担当者は撮影データを入力するコンピュータのキーボートを叩き続ける。毎日夕方に訪れる「緊張感たっぷりの脂っこい時間」だ。

ここはNHKニュースセンターにある「サーバーステーション」。全国54の放送局をはじめ、世界各国から送られてくるニュース映像はすべてここに集められ、サーバーで収録・一括管理する。NHKのテレビ報道の根幹を支える重要なセクションだ。

一日の収録数はおよそ400件、時間にして600時間にものぼる。G-Media映像制作部の5名がNHK職員とともに24時間体制で365日業務にあたっている。メンバー全員が「NHKニュース7」や「ニュースウォッチ9」、スポーツニュースなどの映像編集のスペシャリスト。必要とされる情報を確かな判断力で精査し、総合テレビやBS、国際放送など、迅速なニュース報道を支えている。

NHKのすべてのニュース映像を管理するサーバーステーションで、もっとも重要な業務のひとつは「キャプション情報」と呼ばれる映像情報の入力だ。撮影時刻や取材場所といった基本情報から、近年では著作権などの映像権利に関する情報もサーバーシステムのコンピュータに登録する。このキャプション情報は収録された映像とセットで、各ニュース番組の制作セクションに引き継がれ、これをもとに映像編集や字幕スーパーの作成がおこなわれる。そして映像はニュース番組として視聴者に届けられる。迅速・正確なキャプション情報はニュースの放送には欠かせないものであり、近年増え続ける災害などの緊急報道ではその重要性がいっそう高まっている。

津波注意報発令 その時サーバーステーションは

2015年9月の南米チリ巨大地震では、北海道から沖縄までの太平洋沿岸に津波注意報が発令され、サーバーステーションでも東日本大震災以来の大規模オペレーションをおこなった。

早朝3時、津波注意報の発令に合わせ、太平洋沿岸に設置されたNHKの「天気カメラ」や全国の中継現場の映像を一斉に収録開始。午前7時に東北・北海道で津波の一報を観測すると、全国の天気カメラが次々に津波の襲来を捉え始めた。それと同時に各地のカメラマンからも港や人々が避難する様子を収めた映像が次々と伝送されてくる。サーバーステーションのモニタは全国の港の映像で埋め尽くされた。この状況下でその他のニュース項目の収録にも対応しなければならない。サーバー容量、そして同時に収録できる数には限りがある。どの映像を収録し、どの映像の収録を止めるか判断が迫られはじめた。

サーバーステーションの担当者は直ちにニュース制作の責任者と連絡をとり、天気カメラに優先順位を付ける検討に入った。津波注意報発令から7時間が経過した午前10時、西日本の映像は現地の放送局に収録を依頼し、比較的高い潮位が観測されている北海道から関東の天気カメラにポイントを絞って収録を続けた。さらに津波到達予測時刻を睨みながら時間差で収録する映像を切り替えていく。

一方で、収録した膨大な映像をニュースで使えるようにするためには正確なキャプションが欠かせない。緊急報道に「誤り」は許されないものの入力を担当する要員にも限りがある。この時、映像編集の経験があるG-Mediaの社員を中心に、入力内容を絞り、迅速性を優先させる決断をした。最低限放送に必要な情報は何か、経験に裏打ちされた判断が求められる局面だった。

午後4時40分津波注意報解除。13時間半に及ぶ綱渡りのオペレーションを完遂した瞬間だった。

G-Media映像制作部の社員は、全員が映像の入り口(収録)から出口(制作・送出)まで全ての業務をトータルに担っている。

“ニュースのポイント"を常に考え、収録・編集を実践している。そして正確なニュースをいち早く視聴者に届けるために、サーバーステーションでは今日も、“緊張感たっぷりの脂っこい時間"と格闘している。