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こんなことやってます!スポーツ制作部

全豪オープン・歴史的瞬間までの道のり

~初の生放送に挑んだ14日間~

2019年の1月14日からオーストラリア・メルボルンで行われた、全豪オープン。
これまでNHKは深夜の録画で放送してきましたが、今回注目の大坂なおみ選手と錦織圭選手の試合は生放送。数々の熱戦を日本中に伝えるべく、試行錯誤しながら生放送に挑んだ怒とうの14日間です。

 

 オーストラリアで行われる、今年最初のテニス四大大会、全豪オープン。大きな注目を集める大会となりました。2018年、全米オープンで優勝した大坂なおみ選手、直近の大会で優勝した錦織圭選手が出場するとあって、大会前から日本中の期待が高まっていました。NHKも全豪の放送としては初めて、大坂選手と錦織選手の試合を生放送することになりました。
 テニスは前日に、対戦相手とコートが決まります。そこから本格的な準備作業が始まるため、打ち合わせも夜遅くまでかかりました。今回は大坂選手と錦織選手が同日試合。1日に生放送が2本発生します。生放送のない日はスタジオを使ったハイライト番組の収録があるため、放送のない日は1日もありません。現地スタッフはフル回転で、私もPD(プログラムディレクター)業務→準備→PD業務の制作リズムに身体がなかなか慣れませんでした。

スタジオで位置決め

 また、私は今回が初めての海外オペレーションです。海外のPDが制作する試合映像にスタジオなど独自の部分を付け加え、番組を作り上げるのですが、周りはほとんどが外国人スタッフ。英語でコミュニケーションを取らなければならない環境に不安を抱えていました。
 その不安が恐怖に変わったのは、初めてPDを担当した大坂選手の初戦。冒頭はスタジオで大坂選手の話を展開する予定でしたが、想定より早くコートに向かう大坂選手の映像が捉えられました。いつもなら、スタッフとタイミングを計りながら早めに切り替える判断をします。ですが、そもそも英語でなんと話しかけたらよいのかわかりません!ただただ焦るばかりのデビュー戦でした。
 毎日多くの業務に追われる一方で、だんだん外国人スタッフと簡単な会話ができるようになり、放送の大まかな組み立てもできるようになりました。そんなときに起こったのが錦織選手の準々決勝での棄権です。「試合が終わってしまった…」と頭が真っ白になりましたが、CP(チーフプロデューサー)・デスクをはじめ、各担当が集まり、放送をどう立て直すか考えました。

大会前のトロフィーロケで

 まず、残りの時間は午前中の大坂選手が準決勝進出を決めた試合を放送することにしました。ただ、錦織選手にも触れたい…と頭を悩ませていたときに、アナウンサーから「錦織選手の記者会見を使うのはどうか」と提案がありました。「大坂選手の試合を流している裏で、記者会見が収録できる!本人の言葉が使える!」とすぐに準備を進めました。番組最後にスタジオコーナーを設け、大坂選手の振り返りと錦織選手の記者会見を両方出すことができました。
 毎日悪戦苦闘、怒とうの日々でしたが、最後に大坂選手の優勝という歴史的瞬間にも立ち会えたことで、全てが報われたと感じた初めての全豪でした。PDとして携わることは、嬉しさと同時にプレッシャーも感じましたが、国内中継とは違った貴重な経験ができました。今後、日々の中継業務に生かしていきたいと思います。

(2019年1月)