G-Media 現場にフォーカス

こんなことやってます!国際番組部

「NIPPON CONNECTION 2016」を取材して

〜「J-FLICKS」で実現した海外映画祭とのコラボレーション

国際番組部ではNHK WORLDで日本映画を紹介する「J-FLICKS」の制作を担当している。ドイツのフランクフルトで開催された日本映画の祭典「ニッポン・コネクション」とのコラボ上映が実現することになり、映画祭の様子を取材し、現地で番組を収録する機会をいただいた。

Gmedia こんなことやってます 内田昭彦

 

「世界最大の日本映画のショーケース」として知られる「ニッポン・コネクション」が、5月24〜29日までドイツ・フランクフルトで開催された。今年で16回目を数えるこの映画祭では、メジャー大作からインディーズ映画、アニメまで幅広いジャンルの上映プログラムが組まれ、日本映画の「今」を知ることのできる、貴重な機会として人気を博している。期間中およそ100作品の上映会にドイツ国内はもちろんヨーロッパ全土から16000人を超える日本映画ファンが集まった。日本からも黒澤清監督など俳優・監督合わせて60人がゲストとして参加した。

 「ニッポン・コネクション」は、1999年、日本の文化と映画に強い関心を持つ二人の映画学専攻の大学生によって始まった。翌年、NPOが設立され、年を重ねるごとに映画祭は成長し、日本映画に特化したユニークな映画祭として知られるようになった。この映画祭を支える大きな力がボランティア。上映作品の選出、ゲストの招聘、上映会場の手配、プレス対応にいたるまで、非常によく組織された250人からなるボランティアがこの映画祭の運営を可能にし、フレンドリーでホスピタリティー溢れる雰囲気を会場全体に作り出していた。

 「J-FLICKS」では放送開始以来この映画祭を紹介してきたことがきっかけとなり、今回、映画祭ディレクターのマリオン・クロムファス氏からオファーをいただいた。これまで番組が紹介してきた11作品を「J-FLICKS SHOWCASE」として上映する特別企画が実現することになり、これを機会に番組を現地で収録することになった。また、映画祭の期間中、NHK WORLDとして会場にブースを出展。「J-FLICKS」のフライヤーも特別に制作しチャンネル・プロモーションを行った。

上映作品については、エンターテインメント的なものよりも、日本の現代社会を題材にした作品に観客の関心が特に高かった。観客投票で選ばれるニッポン・シネマ賞は、北野武監督の『龍三と七人の子分たち』が受賞。引退した元ヤクザを主人公に、日本の高齢化社会を、皮肉を込めて描き出した作品。
 インディーズ映画に贈られるニッポン・ヴィジョンズ観客賞には、田中圭監督の『桜の樹の下』が選ばれた。こちらも公営団地に暮らす高齢者たちの暮らしを繊細なタッチで描いたドキュメンタリー映画だ。
「映画は社会を映す鏡」といわれるが、映画を通して遠くはなれた日本に思いを馳せ共感するドイツの人々の姿がとても印象的だった。
 映画祭の取材を通じて、この番組を世界に発信していく意義について、改めて考える機会をいただいた。

(2016年8月)