ニュース映像を届ける“最終走者”
「伝えたい」という気持ちを大切にしています

小堀 剛

映像制作ディレクター

2020年入社
明治大学卒

ニュース映像を届ける“最終走者”
「伝えたい」という気持ちを大切にしています

プロフィール
大学時代にNHKでアルバイトを経験。NHKの報道業務に携わりたいと入社。映像センターに配属後、仙台放送局で9か月間実務研修。昨春より、NHKのニュース番組「首都圏ネットワーク」の編集業務に携わる。学生時代は音楽活動に熱中。友人たちと一緒に作ったアルバムは宝物。自身は作曲を担当。

責任は重大 だからこそやりがいを感じます

映像制作ディレクターというのは、いわゆる編集マンのことで、ニュース制作の現場では、記者やカメラマンが取材してきた素材をもとに映像を通してニュースを作りあげていく役割です。現在は、「首都圏ネットワーク」を中心に、関東地方向けのローカルニュースなどを担当しています。ニュース以外に、番組の編集を任される機会も最近は増えています。

ニュースは“新しさ”が重要なので、放送までの編集作業にかけられる時間は限られています。カメラマンが撮影した、30~40分ほどの映像素材を1~2分のニュースにまとめなければならないので、そのニュースを伝えるうえで何が重要なのかを短時間で見極め、ニュースの映像を作っていきます。編集を終えたら、放送スタジオに直行し、自分たちでボタンを押して放送を流したり、音量の上げ下げをしたりといったリアルタイムの操作もします。タイミングを間違えると放送事故になりかねないので責任重大です。毎回、放送を終えるとほっとします。ただ、その大変さは、やりがいにもつながっています。大きな事件などが起きて急いで編集しなければならないときなどは緊張もしますが、放送し終えたとき、「この事件を伝える役割を果たせたんだ」「自分が作ったものがNHKを通してたくさんの人に届いたんだ」という充実感もあります。

大切にしているのは「伝えたい」という気持ち

最近の仕事で印象に残っているのは、「首都圏ネットワーク」で保育士の人手不足をテーマにした企画です。普段のニュースよりボリュームのある企画で、映像素材は2時間半にも及びました。日頃ニュースで“人手不足”だとは見知っていましたが、取材した記者からじっくり話を聞いたり、カメラマンが撮った保育園の映像を何度も見返すなかで、保育士の過酷な現状を目の当たりにしました。とにかく不測の事態が次々に起こるんです。子どもたちが急に喧嘩を始めたり、泣き始めたり。インタビューに答える保育士さんたちは、「子どもたちにもっと色んなことを教えてあげたいが、そこまでの余裕がなく、最低限、子供の安全を守ったり、子どもの要望に応えることで精一杯」というやるせない気持ちを吐露していました。「この過酷さを映像でどうにか伝えたい!」と強く思い、当初構成になかったシーンも加え、保育士のリアルな姿をできるだけ忠実確実に、視聴者が現場で見ているような映像にすることを心がけて編集しました。

放送後、何人もの保育士の方から「うちの園も同じ状況だ」「私も大変でやめようと思っている」など、沢山の反響があったと聞き、うれしくなりました。反響を寄せてくれた保育士の中には、ニュースで伝えた現場とは別の“人手不足”のケースもありました。その反響が、また次の取材につながるという、いい連鎖もありました。記者がいい取材をしてくれたのが大きいと思うのですが、自分の映像も「伝える」ことの一端を担えたんだなと実感することができました。

仕事がしやすくチームワークもある職場です

映像を作っていて実感するのは、正解がないということの難しさです。1か2のどちらかが正解ではなく、100くらいのやり方があるなかで、自分なりに作りながら正解を出していく仕事なので、それを楽しいと感じることもあれば、難しいと感じることもあります。「広大な湖の真ん中で岸部を探している」という感覚かもしれません。日々扱うニュースはさまざまで、目的地も違います。ある仕事ではうまくいったことが、次の仕事にすぐに生かせないこともあります。

自分で判断しなければいけないことが多い仕事ではあるのですが、この職場では誰かが困っていれば自然とみんなが助けにいきます。その日、放送できないニュースがあったりすると番組全体に関わる恐れもあるので、大変なニュースを担当することになった人をフォローしたり、全員でいろいろなことを共有して放送事故を防いだりしています。また、大きなイベントのニュースがある日は、「よし! やるぞ!」とみんなで気合を入れて、頑張ろうという一体感もあります。仕事がしやすく、チームワークもある。いい環境だと思います。

こういうマスコミの仕事もあると知ってほしい

最近は、テレビを見ない人が増えているなと実感しています。でも、マスメディアしかできない仕事も多いんじゃないかと思うんです。大きな災害や事故が起きたときなどに、人の命や生活を守るインフラのような側面のある仕事だからです。一方で、自分の知らなかった世界をどんどん知ることができたり、映像を深く追求することができたりする楽しい側面もあります。映像編集という仕事は、外からは見えないのでなかなか想像しづらいかもしれませんが、放送の最後を手がける重大な役割で、自分が主体となってニュースを作っていける仕事です。とくにNHKグローバルメディアサービスの映像制作ディレクターは、地域のニュースだけでなく、全国で放送されるニュース、ドキュメンタリー番組、情報番組など、携わることのできる番組が多彩で、世間一般にイメージされる編集マンよりも、自分のやりたいようにできたり、自分が伝えたいと思うことを表現しやすかったりする環境にあるように思います。「マスコミに興味があるけれど、自分は記者のように外に出て取材をするようなタイプじゃない」と思っている人にも、こういうマスコミの仕事があることを知ってもらいたいですね。


1日のスケジュール

  • 10:00 出社
  • 10:10 打ち合わせ(当日の担当ニュースなどをデスクと確認)。
  • 10:20 昼のニュース番組にむけ編集作業(長めの企画を担当する日は、映像素材を確認後、担当記者と相談のうえ、映像編集を開始。編集後、編集デスクや番組のプロデューサーらに試写し改善する)
  • 12:15 放送立ち合い(自ら編集したものを送出する作業)
  • 12:30 ランチ/休憩(放送センター内の食堂を利用する場合が多いです)
  • 14:30 夕方のニュース番組にむけ編集作業
  • 18:00 放送立ち合い
  • 19:10 打ち合わせ(その日の放送を振り返る/業務で起きたことを共有)
  • 19:30 退社

小堀 剛

映像制作ディレクター

ニュース映像を届ける“最終走者”「伝えたい」という気持ちを大切にしています

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